娘に喰わせてもらってます。 月本海咲
アイドル、キャバ嬢、レンタル彼女、コンカフェ、エロ垢、風俗嬢。女の子たちの時間を、美貌を、笑顔を、カラダを、金と交換してるだけなのに心まで手に入れたと勘違いして、勝手に恋して、勝手に嫉妬して、勝手に怒るキモいオジサンほんとに多すぎ。払った対価の分だけ夢見てるだけなんだっていい加減に自覚して欲しい。もうウンザリ。でも彼女たちはまだ良いかもしれない。だって自分で売り先を選べたし、逃げ出すことだってできたかもしれないから。私にはそんな自由はなかった。父親に【家族のためだ】と売春を強要されたのは1年前。知らないオジサンに処女を奪われ、泣いて呻く私のことなど見向きもせずに札を数えるあの男の横顔に絶望したのを覚えている。そのとき私は決めた。私から奪うなら私も奪ってやるって。客が好きそうな甘い言葉で惑わせて、とびっきりの笑顔で臭い精子も飲み込んで、理想の女の子を演じてあげる。だからみんな、もっと私にお小遣いを頂戴。家族も友達も全て捨てていつか此処から逃げ出すために。今日会うオジサンもその一人、金で私を買ってるくせに、好きだの愛してるだの鬱陶しい。いつものように相手して、搾れるだけ搾ってやるつもりだったんだけど…クズな父親とゲスな客、汚いオトナを出し抜いて強かに生き抜こうとした哀れな少女のおはなし。
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